12月20日、母が急きょ退院しました。
本当はまず、今日あたりに退院に向けてのカンファレンスを開いて、リハビリ担当医やケアマネと相談しながら必要なものを準備して、必要なサービスに申し込んで年末に退院…という流れのはずだったのですが、どうにも不安状態が強くて、夜間せん妄が酷くなってきてしまいました。
安定剤や睡眠薬もあまり効かないんですって。
揚げ句の果てに、歩けないはずだったのに、夜中になると暴言吐きながらシルバーカー押して歩き回っちゃうんですって。
歩けるんかよ…。一番厄介なやつです。機嫌が悪くて歩き回るやつ。
兎も角、一旦お家に帰れば気持ちも落ち着き、せん妄も改善するでしょうから、退院をお願いします、と言われました。
仕方ないので、ダンナ氏と二人で退院のお迎えに行き、そのまま本格介護生活が始まってしまいました。

玄関が介護用品だらけになってしもた。
母の変貌ぶりに動揺しつつ4日が経過しましたが、1日目は疲れのせいか朝まで完全熟睡でほっと一安心。
2日目も夜は一転、被害妄想が爆発して、私とダンナ氏を「財産が目当てなのか!おまえら悪人め!」と悪態をつき大騒ぎ。
ただ自分でも「何故こんなことを言ってしまうの?」と自覚があるようで、翌日は「ごめんなさい、酷いことを言ってしまったのでご飯抜きでいいです」とハンガーストライキ。
結局、晩ご飯は皆で楽しく食べたのだけど、それで機嫌が良くなったと思ったら、3日目の夜は、一晩中の独り言。
これは私たちが思うような独り言ではなくて、幻視で見えている人に話しかけてるので、本人は独り言のつもりは無いようです。完全に目が空いているときもあれば寝言のようなときもある。ただ、話す内容も機嫌が良かったし、本人は朝、「夕べはぐっすり眠れて良かった!」と爽快だった様子。
良く分からないけど、文才がある人だったら、相当面白い話が書けるんじゃないかというぐらい、変てこりんで痛々しい感じです。
高齢者の入院中は、ストレスや不安から精神的に影響が大きいのは頭ではわかっていたし、入院後はそのまま施設に入所する人が多いのも知っていたけれど、ここまでトンチンカンになるとは思っていませんでした。
何より、「自分でもおかしな事を言ってる」という自覚があるのが辛い。
一般的に認知症では、おかしなことを言ったことも忘れてしまう事が多いようですが、母は、自分で悪態ついていることも自覚している。
何もできなくなった自分、オムツの自分、一人でお風呂に入れなくなった自分と向き合うのって、どんな感じなんだろう。
情けなくてやるせなくて、今、本当に辛いのだと思います。でも、受け止める側の家族だって相当辛い。
介護って本当に報われないと思う。終点は死別しかない訳だしね。
4日目の昨晩は睡眠薬が効いたようで、朝まで良く眠っていたようですが、「コロナワクチン打ったって、どうせもうすぐ死ぬんだ。意味がないから行きたくない!」と朝方、本音の寝言を叫んでました。
何れにせよ、年内の施設利用は諸々事情があって厳しい状況なので、サービスが始まる年明けまでは、私とダンナ氏の二人三脚で頑張ってお世話して行く事になってます。
さて。
まず退院に向けて慌てて用意したものは、こちらです。大人のオムツ。

こういうものを買う日が来るとはね。
退院前の電話では「自分でトイレは頑張るから、分厚いオムツは要らない」と言ってましたが、2ヶ月近くオムツでしたから、そうそう簡単に卒業できるわけも無く。履けるタイプのオムツって、それだけだと心配なので、中に尿取りパッドってのを入れるんですって。今まで知らなかった。
室内でもシルバーカーを押さないと移動できない状態ではありますが、昼間、意識がしっかりしてるときは自分でおトイレには行けています。ただ、座った状態から立ち上がるのがとても大変。手すりがないと立っていられないので、方向転換も大変。
なので、多少の介助が必要となります。
というわけで、おトイレの床は置いて貼り付けるタイプのカーペットで滑らないようにしたり、介護サービスで手すりをレンタルしたりして、環境を整えつつあります。

トイレの床にカーペットを敷きました。

立ち上がり補助が無いと立てないの。
クリスマスイブの今日は、嫌がる母を無理やり5回目のワクチン接種に連れていきました。
タイミング悪く、妹の家族がコロナ陽性になってしまい、その知らせを受けて母は、「私の行いが悪いから罰が当たった」と泣いてます。
嫌な予感しかしません。
クリスマスイブの今夜、私の元にやって来るのはサンタさんではなくて、
オムツ取り換えの介助要請だけと思われます。
メリークリスマス!
Posted on 12月 24, 2022 at 3:37 pm by Naomi / 10 Comments