- 親のこと
シモジモの世界
皆様、お正月は如何過ごされましたか。
去年は義母が亡くなったので本来であれば喪中なのですが、神道の場合は喪中じゃないんですって。
年賀状は流石に遠慮させていただきましたが、実家では普通に正月飾りをしつらえて、少しのお節とお雑煮を食べました。
明けましておめでとうございます。
もともと母の入院の原因は心不全なので、塩分をきっちり減らしている関係上、お節料理は難しいかなーと思ってたのですが、今はこんな便利なものがあるんですねぇ。塩分がない分、全体的に甘い味付けでしたが、それなりに美味しかったです。
さて。母が退院してから2週間が経過しました。
退院当初は完全に精神がぶっ壊れていた母ですが、今ではすっかり落ち着きを取り戻し、日中は以前の母と何も変わらない雰囲気になりました。
これは家での介護は無理かな…なんて思っていたのに。本当に良かった。
ただし、それは昼間限定。夜になるとまだまだ問題が生じます。
心不全は兎にも角にも、心臓の負担を減らすために体内水分を減らす薬は必須。沢山の利尿剤が処方されています。その分、おしっこに行く回数もとても多い。
ところが脊柱感狭窄症なので、トイレに行くにもシルバーカーがなくては難しい状態です。腰痛に強力な利尿剤がプラスされ、厄介な動作を一日に何度も繰り返さなければなりません。さらに夜間せん妄がある人なので、入院中は介助の困難さから、睡眠薬とオムツで夜間を過ごすようにしていました。
オムツでおしっこ、みなさん出来ます?
オムツで用を足すのってとても自尊心を傷つけられるそうです。しかも濡れたオムツって物凄いストレスのようで、オムツに用を足しても、結局はすぐに「取り換えて欲しい」ってなるんですよ。
睡眠薬でふらふらなので、自室のトイレまで行くのにも介助が必要。その後トイレの中で、尿取りパッドを替えてあげる。
介助する側も結構大変なんだけど、この「取り換えて欲しい」を子供に言うのって、本人にとってかなり辛いようです。
オムツを替えても替えなくても本人には大きなストレス。
夜間に3回ほどトイレ介助をすると、朝方からは「ごめんね、こんな親でごめん!うわーん」と泣き始める。
私とダンナ氏はこれを「お母さんの夜泣き」と呼んでいるんだけど、赤ちゃんの夜泣きのように可愛くはない。
可愛くはないけど、こっちが気持ちよく寝てると突然、「もう嫌だ、こんなの!死んでしまいたいーっ!」と騒ぎ出すのでかなりの破壊力です。
最初は夜中の暴言や悲観的な様子に「これは認知症?それとも鬱なの?」と思ったけれど、良く考えてみたら当たり前よね。
85年も生きてきたのに自尊心はズタボロ人格崩壊。体は言うことを利かない、おまけにオムツは濡れて気持ちが悪い。
まともな精神状態でいろと言うほうが無理よな。
これから先を悲観して当たり前よ。気持ちは良く分かる。
それともうひとつ。実は前々から私と母の間では、「自分でおトイレできなくなったら施設に入る」という約束がありました。
シモの世話が自分でできなくなったら一緒には暮らせないよ、私は介護はしない、という線引きをしていたんです。
この約束をしたときは当然のように「認知症の所為で」おトイレが出来ない、という事を想像していたのです。今回のように病気やケガによっておトイレが難しくなることを、私も母も想像できてなかった。
この口約束がまた一つの重荷になって、母に大きなストレスを与えていたようです。おトイレ出来なくて施設に送られちゃったんだと、入院中は妄想の中で悲しみに暮れていたようです。
すまん。そういうつもりじゃなかったんだけどね…。
平均的に夜間は3回のトイレ介助に2回の夜泣き。こんな感じで10日ほど経過した元旦には、私も流石に睡眠不足でふらふらになってしまいました。
ところがその後、徐々に冷静さを取り戻したのか、母の夜泣き具合もマイルドになってきて、夜間せん妄も、無視して放置しても問題ないレベルにまで戻りました。しかも睡眠薬さえ飲まなければ、夜中のトイレも介助なしで行けるようになってきています。夜中の2時〜3時ごろに精神不安定の大きな波が来るけど、それ以降の朝にかけては、自分で何とかしようと本人も努力してるみたいです。
夕べの夜泣きでも「もうオムツは嫌だ」というキーワードが出ました。今後、間に合わなかったときのためにパンツ式オムツは良いとしても、分厚い尿取りパッドを止められれば自尊心も回復して、精神も安定してくるような気がしてます。
それと、今飲んでいる痛み止めの副作用で便秘がちになってしまっていて、これもまたストレスとして夜間せん妄の引き金になっているようです。うんちを投げて戦う夢でうなされたりしてるみたい。おしっこが嫌で自ら水分を控えてしまって、それも便秘の原因になっているようです。
でもこれ以上、薬を増やすのも変えるのも難しいし、今はサプリと野菜と水分を多く摂ることで何とかごまかしているけど、今後、食が細くなって行ったらこれもまたネックになりそうな予感です。
シモジモの悩みは精神に直結する。
これを知っているのと知らないのとでは、介護に対する気持ちの置き方に大きな差があるかもしれん。
そういうことをしみじみと考えた正月でした。
正月早々、こんな話題ですみません。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
Posted on 2023年1月4日
みなさまからのコメント
コメントフォームへ
介護で困る事。
下の世話をする・される、お互い精神的に辛いですよね~
ポチ、っと!
kasugai90さん、いらっしゃいませ♪ コメントありがとうございます (*^-^*)
そうですよねー、私、記事本文には書かなかったけど、母娘だからまだ良いようなものの、異性同士だとキツイよなぁーと、トイレ介助の度に思います。
これからも福祉サービスが充実した社会を皆で作っていかないといかんですね。
ホントに下の世話はする方もされる方も難しいですよね。
私も母の時は、カミさんに頼り切っておりました。(汗)
夜間せん妄が治まりつつあるのは良かったですねえ。
一つ気になるのは、睡眠薬って必要なんでしょうか。
夜間せん妄の対策の為に必要なのかも知れませんけど。。。(・_・?)
私の会社の会長さんが、物忘れが激しくなったり、おかしな事を言ったり、
急におかしくなった事がありましてね。
睡眠薬を飲み始めた頃からだったので、「薬を止めたら?」と。。。
会長なんだし、眠くなったら家で寝ておけば良いでしょうと。。。f(^^;)
服薬を止めたら途端に元に戻ったんですよ。(^o^)b
けっこう睡眠薬とか認知症の薬って精神的な副作用が大きいような。。。
私の母は大した事ない認知症だったのに薬のせいでやる気ゼロになってたし。f(^^;)
もちろん私に医学的知識は無いので、アテにはならないですけど、
身近な例で、この手の薬は両刃の刃だなあと思ってます。
あ、でも、まるっきりの見当違いだったらごめんなさいです。(汗)
ではでは、今年もよろしくお願いします。m(__)m
akkyanさん、いらっしゃいませ♪ 本年もどうぞよろしくお願いいたします (*^-^*)
シモの介助は、どんな風に気を使っても、本人の気持ちが解けることはないんだと思います。きっと嫌だろうな、と思いつつお世話するしかないですよね…。
睡眠薬については、私もとても迷っていて、眠れるようなら飲まなくて良いと思っています。主治医も頓服で良いと言ってくれてますし。
ただ本人が、夜中になるとまだ不安症状が出てしまうことがあって、そういう日は朝まで眠れないんです。夕べも私は徹夜 (^-^;;
これだとどちらも厳しいので、こういう日は飲ませることにしているんですが、なかなか効かないんですよーこれが。
デイサービスが始まれば、日中の傾眠は減りますし、運動もするので自然と睡眠リズムが整うだろうと期待はしているのですがね…。どうなるかな。替えって興奮して酷くなったりするのかしら…。
睡眠薬や認知症の薬、それと、慢性疼痛の痛み止めも脳に作用するので、影響は必ず出てしまうのでしょうね。ウチも薬に頼らなくて済むようになれば良いなぁ。