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「2.他感作用(アレロパシー)」を掘り下げてみる

アレロパシー…。
アレルギーみたいなモンだろか…。

植物と植物には、お互いが共存・共栄できるというよい関係だけではなく、お互いを排除しあう関係にあるものもあります。このような二つの関係をまとめてアレロパシー(他感作用)と呼んでいます。

引用:仲よし植物を育てる コンパニオンプランツで野菜作り

アレロパシーは、毒も薬にも、両方にまたがる複雑な作用という事みたい。毒の観点では、ヨモギはごそ〜っと集団ではえてますが、ヨモギの地下茎などからは、他の植物の発芽を抑制する物質が出てるんですって。だからヨモギの軍団の中には、他の植物が生えないそうで、生物農薬(?)としても利用されたり。ヒガンバナ(曼珠沙華)も強い毒を持っていて、ミミズも近づけないので、田畑を荒らすモグラやネズミの対策として昔から利用されてた、と。

そういえば、今年も巾着田の曼珠沙華、見に行けなかったなぁー。

数年前に撮った、懐かしい巾着田のお写真
数年前に撮った、懐かしい巾着田のお写真

その他、蚊取り線香でおなじみ除虫菊、アブラムシ対策のニームなどなど、植物は自己防衛策として武器を持ってるものがあるよ、という事ですねぇー。

他の植物を生えさせない(雑草を防ぐ)、害虫を寄せ付けないだけではなく、病気を寄せ付けない、ってのもあるんですって。例えば、トマトの根元に植えるニラ。薬としての観点ですねぇ。

トマトを同じ場所で毎年栽培していると、萎ちょう病や半身萎ちょう病などの土壌病害が発生してトマトが作れなくなります。ところがニラと混植すると、ニラの根には病原菌を防ぐ拮抗菌(バークホルデリア・グラジオリー)が繁殖しているので、この菌がトマトの病原菌を防いでくれます。

引用:農薬に頼らない家庭菜園 コンパニオンプランツ

こんな風に、土壌病原菌対策にも活用されているんだそうです。マリーゴールドもセンチュウを防ぐ植物として有名ね。病原菌に対抗できる菌を自ら持ち合わせている植物をすぐ近くに植えることで、その恩恵を受けよう、っちゅう事ですな。連作障害の対策としてもアレロパシーは利用されてるんだそうですよ。根っこ菌関連はやっぱり面白そう!混植の重要な要素っぽいですねー。

ただ、やっぱり成育抑制作用なんかは知らないと上手く育たないわけで。
科学的には解明されていないものも多いそうですが、この組み合わせは良いけど、こうだとダメだった、ってなね、先人のご苦労があるわけでございます。特に、やってはいけない組み合わせは知らないと失敗の元なので、ありがたくお知恵を拝借しておきましょう!

混植を避けたい組み合わせ
農作物名 避ける植物名 現れる障害
アブラナ科 ゴマ 共に生育が悪くなる
イチゴ ニラ 生育が悪くなる
キュウリ インゲンマメ センチュウが多くなる
ジャガイモ キャベツ 生育が悪くなる
トマト 生育が悪くなる
ピーマン 生育が悪くなる
スイカ インゲンマメ センチュウが多くなる
ダイコン 長ネギ 根が曲がる(枝根になる)
ナス トウモロコシ 生育が悪くなる
ニンジン インゲンマメ センチュウが多くなる
メロン ニラ 生育が悪くなる
レタス ニラ 生育が悪くなる
野菜類全般 ベリー類 生育が悪くなる
ローズマリー 生育が悪くなる
ラベンダー 生育が悪くなる

参考:農薬に頼らない家庭菜園 コンパニオンプランツ

正直言うと、ウチの場合、狭〜〜ぁいベランダですから、雑草防除とか興味なかったですし、連作障害も関係ないや〜なんて思ってましたが、植物の奥深さというか強かさというか、頭が下がります。そして、それを何年もかけて確かめ、利用してきた人々の努力も負けてませんねー。すごいです。

さ、次は「宿主特異性」。なんのこっちゃさっぱりですが、期待せずにお待ちを!

Posted on 2009年10月31日