- 親のこと
それぞれの時計
看病歴は、こう見えて長いです。
父が最初に脳梗塞で入院したのは2012年でした。その時は生命の危機にさらされていた訳ではなかったので、気楽ではあったものの、車がないとアクセスの悪い病院だったから、着替えを持っていくにも一苦労でした。
その後、2019年に父は肺ガン発覚で入院。その頃から父の抗がん剤治療の付き添い、母の加齢黄斑変性の眼球注射の付き添いと、親の通院の付き添い時間を合算したらどんなことになるのかというぐらい、病院の待合室や病室にいました。
本人たちはやれ検査だ点滴だと忙しいけれど、私はただ、ひたすら座って待つだけ。3時間も4時間も。
ただただ待つだけ、という時間の過ごし方って、東京じゃあまりしてこなかったよ。
母が入院してからは待合室からは開放されましたが、やれ病院からの呼び出しだ、やれ市役所に出向いて手続きだの、何かと毎日時間をとられています。退院してからはきっと怒濤の介護だろうし、入院している今のうちにのんびりと…と思うのだけれど、なかなか難しい。
いや、忙しいのはそんなに悪いことではないです。気が紛れるので、むしろ歓迎したいぐらい。
私の仕事の方もそれなりに忙しくて有り難いのだけれど、でもふと考える時間が出来た隙に、ものすごい恐怖が襲ってきたりします。
先週まではそれこそ容体も不安定だったら、病院からの電話にびくびくしながら毎日を送っていたけれど、今一番の恐怖は、日に日に母の認知機能が落ちていってること。
入院中の病院は療養型の病院なので融通が利き、あまりにも気落ちしている母に、週に一度、短い面会時間を作ってくれています。
それ以外にも、看護士さんが携帯電話を掛ける手伝いをしてくれるので、3日に一度ぐらいは声も聞いています。
心不全の方は少しずつ改善しているようなのですが、どうも段々と話し方がふにゃふにゃになってきているんです。
覇気がないというか。ゼーゼー苦しそうなときの方がまだ生命力があった気がします。
色々あってショックだったろうし、少し鬱になっちゃったのか、それとも認知症が進んだのか…。
嫌だなぁ。
体力が戻ってきたらきっと気力も戻るかも、と期待はしているのですが…。
どうなんだろう。いわゆる廃用症候群ってやつなのか。高齢者が廃用症候群になると、もう元の暮らしは出来ないというし、そうなったらどうしよう。のんびり考えている時間はなさそうな予感がします。
高齢者の筋肉は、入院時間とともに凄いスピードで落ちていく。高齢者じゃなくたって、寝たきりならそれりに筋肉量は減ってしまうんだもの、歩けなくなっても不思議じゃありません。体の不自由が出ると一気に認知症は進んでしまうことが多いですし、考えると胃が痛いです。
実は私の妹が同居していた義母は、大腿骨骨折&肺炎での入院からそのまま特養に入居しました。
ところが思いの外リハビリが上手くいってしまってあっという間に元気になってしまい、このままだと特養を追い出されそう、という悩みを抱えています。
(介護認定が低いと、特別養護老人ホームは受け入れてもらえませんのでね)
元気なら良いじゃない!と、介護の世界から遠いひとは思うだろうけど、実際には家族にしてみたら大問題。共働きだから、もし帰されてしまうと、どちらかが仕事を辞めなければならなくなってしまいます。考えると胃が痛いそうです。
いろんな悩みが、あるもんだよね。
今日は、母の入院が長くなるかもしれないので、市役所に出向いて「後期高齢者医療限度額適用認定証」というのをもらってきました。これで入院費と食事代がかなりお安くなります。これから先何年生きるか分からないけど、どんどんお金がかかるようになっていくだろうから、少しでも出費を抑えられるようにしようという魂胆です。
その市役所が遠かった…。バスと電車を乗り継いで、最寄り駅から17分も歩くんですよ。私は歩くのは苦にならないけど、ご高齢のかたとかどうしてるんだろう?
委任状までしっかり用意して一発で認定してもらえたので良かったけれど、不具合があって出直しだったら心が折れていたかもしれない。行って帰って半日仕事になってしまうので、東京のように気軽に「ダメならまた行けばいいや」は出来ませんな。しっかり調べて効率良く動かないといかん。
郵便局も遠いんですよ。ウチから自転車でも15分はかかるの。現金書留を送りに行って印鑑忘れたときは死ぬかと思った…(サインでも大丈夫でしたけど)
田舎時間は何かと豪快に過ぎてゆく。無駄に過ぎてゆく。
でも親の老化スピードはアクセル全超特急。
いろんな時計が混在したこのペースに慣れるまでは、まだ時間がかかりそうですけど、
私にはあまり、のんびり構えているような時間は無いのだろうな。
Posted on 2022年11月14日
みなさまからのコメント
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親の介護。
同居している家では、デイサービスなどを使って軽減化。
遠距離介護では、時々行っては重負担。
兄弟姉妹の少ない現在では、子供負担が大きいですよね~
ポチ、っと!
kasugai90さん、いらっしゃいませ♪ コメントありがとうございます (*^-^*)
育児もそうですが、介護もワンオペはきついですよね。
ウチの場合は多分、退院後は介護認定がランクアップしそうなので、即効でデイサービスを増やそうと思ってますが、そういった支援を使わないと現実問題として無理だと思います。
かといって、支援サービスも施設への入所も、こんな田舎でも「予約待ち」だったり。
色々と厳しいですねぇ…。
お疲れ様です。m(__)m
うちは母が最初から施設に入る前提で私の所に来てくれたので、
日常の細々としたホントに大変な介護はやってないですからねえ。(汗)
でもだからこそ、最後まで母に優しく接していられたとも思いますし、
母も気楽で居られたんじゃないかと思ってます。
何もかも一人で抱えたんじゃキツイですからねえ。
キャンセル待ちも多いように見えて、重複して申し込んでいるのか、
意外と早く廻ってきましたから早めに申し込んだ方が良いかも。。。
akkyanさん、いらっしゃいませ♪ コメントありがとうございます (*^-^*)
>> でもだからこそ、最後まで母に優しく接していられたとも思いますし、
それ、とても分かります。
介護で疲弊してしまうと、親に対して優しく慣れないですよね。これが一番良くない状態だと思います。お互いの精神が最悪の状態で人生の最期を迎えるのは、ほんと辛い。
今日も電話がかかってきたのですが、殆ど何を言ってるのか分からんかったです。
やはり強いストレスで認知機能が低下している感じです。
なるほど、重複して申し込むって、ありそうですね。
近いうちに施設見学してこようかな…。