安心して楽しめる家庭菜園のための放射能防御
このページの最終更新日:2013/03/22
土壌のセシウム濃度と、植物が吸収するセシウムの量は無関係。
少しの知識で、無駄なセシウムの吸収をぐんと抑えることができます。
ポイントをしっかり掴んで、安心菜園を楽しみましょう!
移行係数の説明にも出てきたバーミキュライトやパーライト(これらは粘土鉱物です)には、表面にセシウムが入り込むのに丁度いい大きさの穴が開いていて、セシウムを抱え込む性質があります。水はけが良過ぎる菜園ならば、保水力の増強を兼ねて、これらの土壌改良剤を追加すると良いでしょう。
ただし、市販されている「野菜の土」や「花の土」には、バーミキュライトが始めから含まれている事が殆ど。そのまま使うならば、追加する必要はありませんよ。水はけが悪くなっちゃいますからー!
大量のセシウムが放出されてから、まだ2年。土の中でのセシウムは、自由に動き回りにくいため、雨が降ったとしても、その殆どは地表から5cm程のところに集中しています。
近所にホットスポットがあったり、空間線量が少し気になる地域の場合は、菜園の表面5cmぐらいの土だけをどかして、穴を掘って埋めてしまいましょう!
原発事故のあと耕していないならば、かなりのセシウムが除去(90%以上…という結果もあるそうです)できるそうです。
すでに耕してしまったならば、堆肥をちゃんと入れて、さらに深くまで、しっかりと耕してしまいましょう。
穴を掘るスペースが無い小さな菜園や、すでに耕してしまった場合は、いつもより少しだけ、気合いを入れて耕してしまいましょう。
野菜の根の殆どは、地中30cmぐらいまで。特に表層付近には多く集まっています。天地返しをする感じで、表層の土を下へ、下へ。 耕したら水をた〜っぷりと播いて、水溶性のセシウムをさらに下へ追いやって。 根域の濃度を下げる事で、かなりの効果が期待できます。
施肥や植付けは翌週以降、土が落ち着くのを待ってからにしましょう。 数ヶ月すると、セシウムは雁字搦めに。こうすれば来シーズンは更に安心!
教えて頂きました!on Twitter
@naomi_ssd ベースになる土を作る、というのと、 施肥(&腐葉土)のタイミングが結構キーなんです。 今回の場合は、まず環境中セシウムをしっかり活性アルミナで吸着固定化させてやりたいですから、施肥する前に土を先に作って、水やって放置、その後にクリーンな施肥、という順番。
— リーフレインさん (@leaf_parsley) 2013年3月2日
@leaf_parsley @naomi_ssd そうすると、植物は後から撒いた施肥部分から先に吸収するので、先のセシウムは土中に固定化されたままですむんじゃないかな。 (通常でも、寒肥と作中の肥は成分が違うんですよ。
— リーフレインさん (@leaf_parsley) 2013年3月2日
速報:施肥された畑で栽培されたワラビの放射性セシウムの移行係数は0.5%以下だが、野性に自生しているワラビの移行係数は2~3%。ようやく尻尾つかめたぜ! ^^v くみちゃん、ありがとう!
— 津田和俊さん (@kaztsuda) 2012年5月12日
セシウムの土中での性質を知ろう!
@tsokdbaさんのブログ記事「東大農学部の報告会2:土壌中での放射性セシウムの挙動」
ジャガイモの肌を綺麗にするために、酸性土壌にすると良い…などと言いますが、セシウムの移行は土壌の酸度が影響(酸性のほうが多く作物に移行)する事が解ってきています。できれば酸度計でしっかり計測して、ほとんどの野菜の育ちやすい弱アルカリ性にキープするよう、心掛けましょう。
酸度計を1つ持っていると、とても便利ですヨ。
窒素やリン酸と比べて、普段はあまりカリウムを意識的に施肥する事は無いかも知れません。しかし、カリウムは堆肥や腐葉土に多く含まれていて、一般的な家庭菜園では不足することが少ないようです。
逆に、あまり土作りに力を入れていない、カチカチの土の菜園では、不足がちになっているかもしれません。
野菜作りの基本通りに、しっかりと堆肥や腐葉土で、フカフカの土をつくり、もしそれでも不安ならば、追加で少し施肥するようにしましょう。
ただし!あまりカリウムを過剰にすると、カルシウムの吸収阻害が起こることも。基本を守って、ほどほどにね。
アルカリ調整やカリウム施肥のために、自家製の草木灰を…というのはちょっと待った!
灰灰はその性質上、燃やしたものによっては、濃度の高いセシウムが検出されることも過去にありました。
アルカリ資材を使用する時は、流通品を使うか、検査されたものを使うようにしましょう。
小さな葉物野菜や比較的に根の浅い野菜は、どうしても心配ならば、プランターやレイズベッドを作って育てると良いでしょう。新たな事故が起きない限り、今後はセシウムは増えません。
新しい培養土や表層を取り除いた土を使って、気持ちを新たに家庭菜園をリスタートさせるのも1つの手。疑心暗鬼で育てても楽しくありません。無駄な心配をするよりも、安心できる方法を考えていきましょう!
教えて頂きました!on Twitter
横軸は土壌の酸性度、縦軸はフォールアウトのCs137の場合の移行係数。つまり、先ほど迄のCs移行係数の農産物平均が0.01程度(ただし変動幅は100倍〜1000倍程度)というのはおそらく土壌が中性(pHが7付近)の場合と思われる twitpic.com/7v2ggs
— MIZUNO Yoshiyuki水野義之さん (@y_mizuno) 2011年12月18日
昼間の放射性セシウム総量4200Bq/kgの土壌で栽培されたワラビが不検出だった件、リン酸やカリが家庭菜園並みに過剰だったので問い合わせしたら、やはり以前に牛糞堆肥やカイコの何かの肥料を撒いていたところだったらしい。やはり。
— 津田和俊さん (@kaztsuda) 2012年5月8日
宮城県南部の露地モノのホウレンソウは、以前にも村田でなんともビミョウな数値を出したことがある。 r-info-miyagi.jp/r-info/radiati… この時も「薪ストーブの灰を畑に撒いちゃったんじゃ?」と思ったなぁ
— 津田和俊さん (@kaztsuda) 2012年4月7日
環境省プレスリリース平成24年2月24日より転載:東北地方及び関東地方における一般家庭等で使用される 薪及び薪の灰等の調査結果についてenv.go.jp/press/press.ph… twitpic.com/cc8y5n
— リーフレインさん (@leaf_parsley) 2013年3月17日
農家さんが実践するセシウム対策を知ろう!
福島県「農作物の放射性セシウム対策に係る除染及び技術対策指針」 第1版(平成24年3月26日)
様々な取り組みを詳しく知ろう!
福島県 農業総合センター 放射性関連支援技術情報 平成23年度成果