大友克洋の『AKIRA』の舞台は、2019年のネオ東京。
翌年2020年にオリンピック開催を控え…というまるで予言のようなSFコミックの連載が始まったのは1982年だそうです。
その頃はまだ高校生だったから、お盆はお墓参りに行って、親戚が集まって賑やかに食卓を囲んだ時代。
私の実家では、迎え盆は13日の午前中、手持ち提灯を持って墓参りし、お墓でロウソクに炎を灯して家まで持ち帰ります。
そしてそのロウソクを仏壇に置き、線香を手向けてご先祖さまをお迎えします。
送り盆は16日の午後、今度は仏壇のロウソクを手持ち提灯でお墓まで運び、線香を手向けてご先祖さまをお送りします。
つまり、往きと帰りの2回、ロウソクの炎を運ぶの。
そして提灯の炎は、ご先祖様が迷ってしまうから、絶対に消さないようにせねばなりません。
お墓までは500m。歩いて5〜6分。
でもね、結構消えるのよー提灯の中でも。
子供の頃、このイベントが怖くて嫌で仕方ありませんでしたが、何故か「おまえが持って行きなさい」と、いつも提灯を持たされてた記憶があります。
そして今年は、このコロナ禍。おまけに悪天候。
線状降水帯の豪雨で、お盆どころではなかったかたも多いと思います。
神奈川に住む妹家族も、まだワクチン接種が終っていない家族がいるので帰省を見送りました。ということは、車も無し。
私と、シニアカーを押して行くという母84歳のみで、何とかお盆のイベントをこなさなくてはなりません。
っていうか、お盆なんて生きてる人のためにあるんだから、できる範囲で好きにやれば良いじゃん、と思うのです。
コロナ禍以前の世界には、もう暫く戻ることはないのではないかと思っているので、新しい生活様式と同じように、新しい季節のイベント様式も模索して行く必要があるんじゃなかろうか。
ネオ盆。シン・盆(新盆)は去年やったので、今年からはネオ盆。
というわけで、こうしました。
LEDロウソク(笑)
これなら雨でも暴風でも消えないし、提灯を燃やす心配もございません。何なら提灯ごと自転車のカゴに入れても大丈夫。
あまりにも雨風が強かったら都会風に、玄関前で迎え火だけ炊くようにしようと思っていましたが、やっぱりお墓に行かないと落ち着かないと言う母に雨合羽を着させて、小雨の中、墓参りに行きました。
あまりにも急激な変化は不安になって、母は夢見が悪くなったりするから、ギリギリの所で折り合いをつけます。
当の母も「別にお墓にお父さんが居るわけじゃないけど。」とぼやきつつも、頑張った満足感はたっぷり味わえた様子。
妹家族には、仏壇&盆棚の写真をLINEで送ってリモート参りをしてもらい、近況をご先祖様にご報告。
16日にお墓にこれまたLEDロウソクでお送りして、無事にネオ盆を終了。
でもね、田舎はこれで終わりじゃないんだよ…。
来週月曜日には、菩提寺で施餓鬼(せがき)会というイベントがあって、新しい塔婆ができあがるので、それをまたお墓にもって行かねばならんのです。
なんでこんなにお墓ばっかり行ってるのよ(笑)
これこそ不要不急だと思うんだけど。
コロナ禍の2時間半の電車移動はかなり気も使うし緊張する。なのに何故だ…。
ご先祖様のために命を削るみたいで、何かモヤっとする。
墓を閉じてしまう人の気持ちがとてもよくわかる。
それは信仰心は関係ない、物理的にイベントがこなせなくなっていく中で出した結論なんだよね。
私もコロナワクチンの2回目接種から2週間が経ち、多分、体内に抗体が出来上がってきたであろう状態になりました。
しかしながら、感染拡大が止まりません。東京は人出もそれほど減った感じはなく、まだまだ油断はできません。
ワクチンを打った人も、しっかりと不織布マスクと手洗い・三密回避で自衛して行かないと、大変なことになりそうよ。
どうか皆様もご自愛ください。ご安全にね。
Posted on 8月 18, 2021 at 9:54 am by Naomi / 4 Comments