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栽培した野菜品種一覧はこちらからどーぞ!どれもこれも下手っぴですがねぇ。

「夫が倒れた!献身プレイが始まった」を読んで

実家の母が持病の治療のために10日ばかり入院していたので、その間に実家の縁台を新調したりと、まさにブログ記事向きなこともやっていたのですが、それはまた次回。
先ずはこれを書かないといかん、というものを今日はご紹介です。
留守番の独りぼっちの実家で、一気読みしました。

本屋さんだと、介護コーナーかな?

著者の野田敦子さんは、実は私が時々お手伝いしているウェブマガジン「どうする?Over 40」を運営しているカリーナさんです。

この本には彼女のご主人が脳出血で倒れた二年前からの、彼女の心の中が丁寧に綴られています。

表紙を見ると、介護関連のハウツー本かな?っていう雰囲気ですが、そうではありません。
「まずは地域の包括支援センターに連絡を!」とか「介護サービスの種類」とか、そういう事は一切書かれておりません。

でも、そこには生々しい現実と、人の発する言葉に見え隠れする感情と、その間で戸惑い、揺れ動くカリーナさんの(凡人なら)言葉にできないような感情が、見事に言語化されています。

私の父の末期癌発覚から亡くなるまでの9ヶ月間にも同じように感じた場面が数多く出てきて、ああそうなのよ!うんうん、そうだよねと、何度も頷きながら読みました。

そして、私は「家族のために頑張らなくちゃ」と自分を鼓舞して看病したけれど、ふと涌いてくる「これが何年も続いたら厳しいなー」という黒い心や、まだ命があるうちから、自分のダンナに新しい喪服を作らせるという乾き切ったドライな心を、無理に否定しなくてやっぱり良かったんだ、という安堵に包まれました。

私は今も尚、「延命措置はしない」というサインをした事を、本当にそれで良かったのか?と問う時があります。
最期の日、息の荒くなる父の側で「私はとんでもないことをしたかもしれない」と悔やみ、唯々泣くばかりだったけど、それは私の都合でしかなく、父の生き様としてはきっとあれで良かったんだと、改めて思うに至りました。

介護や看護には終わりがあります。
そうは分かっていても、頭の中でぐるぐると色んな感情が交じり合い、決して「善い人」ではない自分を見つけてしまうと、とても苦しくなってしまう。
大切な人の命の重さに耐え切れずに、自分の生をついつい軽んじてしまう。

そんな時に開くといい、1冊だと思います。

これから読むかたのために内容にはあまり触れずにおきますが、Amazonなどの書評を読んでいただければ、どんだけ素晴らしい内容かを察していただけるのではないでしょうかねー。
私のようなこんなチンケな感想文ではない、素晴らしい文章が並んでおりますぞ!
晩秋の夜長に、ぜひどうぞ。
コロナ禍の孤独な入院生活ですっかり読書好きになった母も、ときおり涙ぐみながら夜更かししながら、夢中で読んでおります。

そして最後に。この本を書いてくださって、カリーナさん、本当にありがとう。
マジで救われたよ。
心から感謝します。

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Posted on 11月 7, 2020 at 11:14 am by Naomi / 4 Comments

コメントありがとう! 「「夫が倒れた!献身プレイが始まった」を読んで」

  1. 家族の介護。
    私も、経験があるので、いろいろ思う事があります。

    ポチ、っと!

  2. Naomi より:

    2020年11月8日 7:58 PM

    kasugai90さん、いらっしゃいませ♪ コメントありがとうございます (*^-^*)

    介護や看護は、皆ぞれぞれ感じ方が違うかもしれませんが、でも、
    個人が抱える負担は、金銭面、精神面、肉体面…と多岐に渡ります。
    そんな中で、ひとりでも多くのひとが、精神的に押しつぶされずに済みますように…、そういう気持ちが込められた本でした。

    かわいい表紙ですが、中身はかなーり重厚なストーリーです。
    本屋さんで見かけたら、ぜひ、覗いてみてください (⌒-⌒)

  3. もうね、ずっと未来の事のように思ってた事が、
    割とすぐそこに来てるんですよね~。f(^^;)

    ただ、若い時にはいろいろ考えて怖かったりした事が、
    さほど怖いことでもないように思えてきたのは不思議ですね。
    私なんて医学の進歩で生かして貰ってるようなものですし。f(^^;)

    ま、自分についてはしっかり割り切れてる事ですけど、
    家族について考えると、やっぱり怖いですけどね。(汗)

    1. akkyanさん、いらっしゃいませ♪ コメントありがとうございます (*^-^*)

      親の死や老いと向き合っていると、自然と自分の老いについても考えるようになってきますね。
      確かに、若い時に感じていた漠然とした恐怖とは、今は違う感情に私も思えています。

      >> 私なんて医学の進歩で生かして貰ってるようなものですし。f(^^;)
      素晴らしいことですよ!
      私も実はまり心臓が頑丈なほうではないので、akkyanさんの記事には勇気をもらいましたし、母の持病も実は弁膜症でして、素晴らしく進歩した医療の恩恵を受けています。今回は軽い心不全で、入院とは言っても新しいお薬の服薬だけだったんですよ。
      できるだけ寝たきりにならないように、且つ急死しないように、というコンセプトです。
      すごいですよねぇ、医療って。

      恩恵を有難く受けつつ、ぼちぼち穏やかに生きていけたら、
      それが一番、良いんじゃないでしょうかねぇ〜 v(*^-^*)

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