4月は園芸のハイシーズンというのに、一度もブログを更新できませんでした。
実は上旬に実家の母が脊柱管狭窄症を悪化させまして、それからずっと、看病と介護の狭間を行ったり来たり、3週間ばかり実家で過ごしております。
兎も角、腰から太腿にかけてが痛くて、痛みストレスのせいで気分も不安定。
トイレに行くのも大変で、実は紙オムツも用意しましたが、まだそこは人間らしくありたいという一心か、自らシルバーカーで室内を移動するという技を編み出し、何とか寝たきりだけは逃れることができました。
(シルバーカーに掴まっていると、自然に腰が曲がって脊柱管の狭窄が緩和されるみたいです。)
こんなのを家中押して歩いてくるので、リビングの場違いにデカい古いソファーを急遽コンパクトなものに買い替えて動線を大慌てで整備。
できるだけベットから出るように促した結果、2週間ほどで自分で着替えもできるようになり、今現在はちゃんと服を着て日中を過ごせるようになりました。良かったよ…。
母の詳細な検査の結果はそれほど酷いものではないそうです。
骨密度も予防が効いて年齢相応のまま悪化していらず、狭窄症の原因となっている背骨の湾曲も2年前と変わらずにキープできているそう。
後は生活習慣と筋力アップに今後は注力しましょう!痛みは数週間で改善しますから、と先行き明るい診断をいただきました。
悪化していたら介護認定アップの申請をしようと思ってたのになぁ。本人も「こんなに痛いのに大したことないって嘘!」と不本意なようでしたが、結局、普通の腰痛として家族のフォローとペインクリニックでの注射や点滴で、3週間たった今、かなり回復して来ました。
ただ今後は、あまり腰に負担をかけりような作業は難しいでしょうから、自ずと実家時間は増えてしまいそうな予感です。
それと高齢者特有の、何だろうか、痛みに対する耐性が極度に下がっている感じが厄介です。ものすごく不機嫌になり、食事も摂らなくなったり。
そうやって人は寝たきりになっていくんだろうな、と予想がつきます。
さて。3週間もあったので、いくら何でも実家にいれば庭仕事ができるだろう…と思っていたのですが、天候不順とトイレに行くのも一苦労な母の腰痛に苛まれて殆どなんの作業も出来ずじまい。
特に今年は、寒暖差が激しい春だったから、育苗も思うようには進みませんでした。
桜が咲く頃も、天気が悪い日も多かったもんね。
たまたま皆んなで集まれる日が良いお天気だったので、近所の城址公園に花見に出かけましたが、この時も少し腰が痛いって言ってたのよねー、今思えば。
我が家の穏やかな春は、4月の第1週目で終わった、というわけですね。
ここから先は、痛みのストレスで機嫌がすこぶる悪い母と、喧嘩しながらの日々。
痛いのはわかるよ、わかるけど、いくら娘だって痛みは代わってあげられないんだ。
この痛いのどうにかして!死んだ方がマシ!と八つ当たりしてくる母に、今後の不安と疲れと悲しみで押しつぶされそうになりながら、毎度食事を摂らせて医者に診せ、風呂と着替えの補助をして数日間、ガブリ四つで母と向き合いましたが、出た結論は「私には自宅介護は無理」ということです。
まず、たかが10日ほどの着替え補助・お風呂補助の動作だけでもう、私も腰が痛い。
腰が痛い人が二人揃ってもどうにもならん。
それにだいたい、この家は私が上京してからできた家でだから、実家とは言っても落ち着かない。居場所がないのです。
仕事のためのパソコンだけはあるから三日ぐらいの「宿泊」なら平気ですが、それ以上の「生活」となると難しい。
そんなところで親の介護のために暮らすとか、どうにも無理。
私は老親と同居するのと介護のための同居は、本質的に違うと思っています。
もし親が冷静で、家族としてお互いを思いやって暮らせる同居なら話は別だけど、そんな状況では無いから子のサポートが必要なわけで、それが介護なわけで。
この頃、Twitterでたくさんの方に愚痴を聞いてもらって、何とか精神状態を保つことができたことを心から感謝しています。ありがとう、本当にありがとうございました。
介護の悩みは一人一人違うけれど、皆んな同じように苦しんでいるんだよね。
4月の第4週に入る頃には着替えも一人でできるようになり、精神的にも落ち着いてきたようなので、妹と週末に交代してもらったり、東京の歯医者に行くことを理由に一時帰宅したりできるようになりました。
東京に帰るとホッとします。
だってー。そりゃもう人生の3分の2は東京だもん。
実家の行き来で交通費がかかっても、家賃の支払いが大変でも、何とかして東京の居場所はキープしようね、そう夫婦で話し合いました。
今のところはそれが、自分の精神安定剤だから。
そのために、仕事も健康キープも頑張ろうと思います。
これまでずっと「いずれここで暮らすことになるのだろう」とぼんやりと介護人生を思い描いてきたけど、そうじゃない。
自分の居場所は持っていて良い。いや、持っていた方が良い。自分を失わないためには、自分の居場所が人間には必要だと思います。
それは多分、母にとっても同じで、母の居場所を私が侵食しないことも大切。
そのバランスをうまく取ることが、老親サポートの肝かもしれません。
4月もラスト5週目には、母も自分で食器を洗ったり、簡単な料理を作ったりと、自分の暮らしを取り戻しつつあります。
まだ痛みがあるので暫くはそろりそろりと暮らすしかないけれど、母にはしっかりと自分の足で人生を全うしてほしい、そう思います。
そのための手伝いなら、いくらでもするよ。
5月に入り、庭のあちこちに千鳥草(ラークスパー)が筍のように伸びてきてます。
今朝、背の高くなった株に支柱を刺しました。
こぼれ種で増えてもはや雑草状態ですが、美しい花が咲くまであともう少し。
こんなに天候不順だったのに逞しいです。
以上、1ヶ月間のご報告でした。
Posted on 5月 1, 2022 at 4:52 pm by Naomi / 4 Comments